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中村です。
僕のブログを見ている人は
向上心の強い真面目な人が多いですから
色々なノウハウ、セールステクニックを学んだりと
自分を成長させる為の学びに余念が無い事と思います。
さて、僕はそんな真面目な動機ではありませんが
昔むかし、心理学に凝っていた時期があります。
これは大学の授業でやるような堅苦しい心理学ではなく、
もっと面白おかしくサクサクと読める様な
タイプの心理学ですね。
ナンパで実践したり好きな女のコを
振り向かせる為に実践する様なタイプの、
まあ俗っぽい心理学です(笑)
興味本位で色々知識をつけていたのですが
或る時、それを実践するというか・・・
心理テクニックを「仕掛けられる」側にまわる
機会があったので今日はそのお話を書きますね。
それはある一本の電話から始まった・・・
さて、時間は遡り、中村がまだ20才前後?
くらいの時の話です。
つまり今から遡る事10年以上前という事になります。
当時既に携帯電話は一般的でしたが
固定電話もまだまだ利用されていた頃で
実家に暮らしていた僕も家の固定電話に掛かってきた
電話を取る場面があった訳です。
で、マーケーティング的にもそういった
固定電話に営業電話がかかってくる事も多く
変な売り込みやら詐欺っぽい怪しい電話、
煮えたぎる地獄の窯の蓋を開けてしまう危険
は、そういったポイントに存在していたのです。
今ならSNSとかインターネット上に存在する
怪しい出会い系とか詐欺とか
そういったものの入口が電話にあったんですね。
そして或る日、僕は一本の電話を取りました。
若い女の子が電話口で喋ってくるのですが
内容は良く分からないのですが取りあえず
何かの売り込みの電話の様です。
喋り方がワザとらしいというか幼い感じだったので、
「適当に暇つぶしに話でも聞いてやるか」と思い
冷やかし半分に話を適当に聞いていました。
そこで相手の話にちょっと応答をすると
更に質問を投げかけられて徐々に会話になってきます。
ちょっと緊張感がほぐれてきた所で
話を聞いてくれる相手にホっとしたのか
わざとなのかわかりませんが、彼女は語尾に
ハートマークをつけた様な話し方をしてきます。
「△△で□□なんですよっ♡」みたいな感じです。
で、何かのセールスを一生懸命話してくるのですが
最終的には「一度来社しませんか?」
と、こういった誘いをかけてこられたのです。
さて、ここで僕のもの好きな所というか
好奇心旺盛な所がモロに出まして
敢えてこの危険な誘いにのってみたらどうなるか?
を試してみたくなったのです。
当たり前ですが既にこの「怪しい」という空気感は
勿論承知の上です。
ただ、直近で心理学の事等も学んでいた事もあり、
どんなセールスを仕掛けられようと
自分の判断能力は狂わせられない、
惑わされたりはしない
という自信がありました。
「どれ、俺をその気にさせられるモンならさせてみろよ」
という気持ちで、その奇妙な業者の誘いにのってみたという事ですね。
さてさて、中村少年は
その語尾にハートマークを付けて喋る女の子の電話営業にのって、
間抜け面を晒しながら新宿までノコノコ出かけていくのでした・・・。
時は来た。決戦は新宿アイランドタワー。
指定の日時が訪れ、僕は新宿アイランドタワーに来ていました。
赤く「LOVE」と形作られたアートのある建物
といえば分かる人もいると思います。
まだ20才そこそこの僕にとって
大都会の洗練さと高級感のあるエントランスは
若干敷居の高さを感じ、緊張する空間です。
ここで下の階についた旨を携帯電話で告げると
ヒールを履いた美女が登場してエントランスまで
迎えにきてくれたんですね。
これで事務所へ直行です。
「来たよ来たよ、カモが・・・」
と思われていたかどうか分かりませんが
当時の中村少年といえば
■地元の古着屋で買った300円くらいのシャツ
(得な買い物したぜ!)と
■郊外のディスカウントショップで買った斜め掛けのカバン
(A4サイズが入る。機能性重視!)
を身に着け、当時精一杯のオシャレをした
イケてない少年であったから
周囲から見たら
ヒールをカツカツ言わせていた都会派美女と
中村少年が並んで歩く様は実に不釣り合いであった事であろう・・・と思います。
ちょっとしたらこの時点で勝負は既に始まっていたのかも知れない。
だが、その時の中村少年はそんな事知る由もなかったのであった・・・。
最初はアンケートから開始! 相手を知って親しくなる手法?
さて、テーブルについてまずはアンケートからです。
そのアンケートの内容ですが
一体何に必要なのかと思うくらい様々な内容です。
住まい、趣味は勿論の事、家族構成などなど・・・
そしてそのアンケートを確認しながら
様々な質問をされていくという所からスタートしたのです。
ここで結構掘り下げて話を展開して
「あっ、私も○○なんですよー♡」
みたいな感じでちょっと親しくなります。
本当にただのアンケートなのか
単に緊張をほぐす為なのか、
それともそれ以上の狙いがあるのか・・・
この時点ではまだ分かりません。
そして次はその「何かしらのサービス」に
加入する事によるメリットの紹介です。
その紹介されるサービスに加入する
(メンバーになる?)事によって
受けられるメリットが沢山あるんですね。
例えば
■或るレストランが割引になる。
■或るテーマパークが割引になる。
こういった沢山の「オトク」を紹介されます。
これが本当に沢山これでもかという程あります。
そして「もしこんなサービスが受けられたらいいですよね?」
というイエスセットを沢山投げかけられます。
ここでは勿論サービスを受けられた方がお得に決まっていますから
よっぽど捻くれた天邪鬼でなければ「イエス」と言う流れです。
そして更に・・・
その会員制サービスでは、かなりフレンドリーな
コミュニティを形成している様で
加入した後はスタッフの手厚いサポート
(アフターケア?)が受けられるそうです。
色々な相談に乗ったり、時には一緒に遊んだり
仕事上の付き合いといった感覚ではなく、
まさしく一対一の付き合いで友達以上の付き合いをして
信頼関係を築いているお客さんもいるそうです。
そのオフィスも自由に出入りして良く
癒しの空間みたいになって
学校や仕事帰りに寄る人もいるそうです。
(今思うとなんだそりゃ・・・って感じですが)
しかし、ここまでの説明をご額面通りに受け止めると
(なるほど、それは素晴らしい。文句無い。
その会員になれば、各種の割引などお得なサービスが受けられる。
メリットがあって、デメリットは見当たらない。)
と、感じるワケです。
「では加入しますよね?」
「そうですね」
「ではこちらがその加入の案内です・・・」
と言って説明された加入の条件とは・・・?
加入の条件! 最後に出されたとっておきの波動砲に驚愕してガクブル(笑)
ここまでしてきておもむろに始まった
最後の説明ですが、これはさすがにビビリました。
「毎月の会員費用が積み立てとなり、
10年後にはこのダイヤが手に入ります・・・。」
ん・・・。
んっ?
んぁ!?
あれーーーーーーーー!?
ダイヤ買う話になってるぅぅぅぅぅ!!
なんでーーーー??
これにはさすがにビックリしましたね(笑)
ちょっと記憶が曖昧な部分もありますが
いずれにしてもダイヤを買う話なんですね。
確か「会費」を払うと「結果として」
ダイヤ代金の積み立てにもなっている
という微妙な言い回しをして
表現としては直接的ではないのですが
結局それって数十万~数百万のダイヤを
分割払いで買えって事でしょ!?
という内容なのです。
しかも、それまでメリットの話は散々されてきましたが
一切ダイヤの話、いやもとい、会費の話なんてのも一切出ていません。
ずーーーっといい話だけフォーカスされてきて
旨い話ばかりきかせれて、最後にフッ・・・と。
最後にフッ・・・
とね?
話がすり替わっているんですよ。
そして、これは断れない。
これはね、断れないんですよ・・・。
なんで?
普通に怒って帰ってくればいーじゃん。
って思います?
思いますよね。
普通に客観的に話を聞いていたら。
でも、当事者の立場、
その渦中にいると、そうじゃないんですよ。
冒頭の話に戻りますが
そもそも、僕は完全に心構えは出来ていた状態で
臨んでいるんです。
心理学に凝っててセールステクニックの話も読んでて
「ほら、来い!」と。
「やれるもんならってみろよ~」
という態勢で挑んでいるんです。
しかし、抗えない。
何故か?
それではここまでの仕掛けられてきたポイントを纏めてみます。
中村が抵抗出来なかった理由。
例えば例として挙げると大きなものでは以下の様なポイントがあったんですよね。
(勿論これ以外にも色々ありますが・・・)
■これまで散々「もし○○だったらいいですよね?」
→「そりゃそうだ!」のイエスセットを投げかけられている。
■あたかも、その担当女性と仕事を越えて
プライベートで仲良くなれる可能性を感じさせている
■約3時間という時間をかけてクロージングをされており
「ここまできて断ったら気まずいな」と感じさせている。
まぁ、他にも言ったらキリが無いんですけど、
沢山のテクニックが埋め込まれているんですよね。
- ■これまで散々「もし○○だったらいいですよね?」
→「そりゃそうだ!」のイエスセットを投げかけられている。
これはご存知の通り。
既にここまでのクロージングで
幾度もの「同意」を積み重ねてきており
脳は自分の発してきた言葉と矛盾が生じるのが嫌なのです。
故に、そのこれまでの自身の主張と正反対の行動や
発言は突然出来ないのです。
これはなんとなくの感覚ですが、真面目だったり誠実な人程、
強くこの呪縛にはかかるのではないかと思いますね。
「話に一貫性が無い、さっきと言ってる事違うじゃん!」
と言われるという事は一般的には能力の低い人と見られがちですから。
しっかりしている人程、それはあってはならないと考えてしまいがち。
逆に支離滅裂で自己中心的にその場に合わせて
八方美人の様にコロコロと主張を変えたりするタイプの人は
逆にワケもなく問題ないのではないでしょうか。
その代わり、そういった方の私生活はどうかと思いますが・・・。
- あたかも、その担当女性と仕事を越えて
プライベートで仲良くなれる可能性を感じさせている
これねぇ、正直、かなりデカイですね。
本当に恥ずかしい事ではありますけども!
本当に地味でモテない男にとってね、
千載一遇のチャンスとは正にこの事ですよ、あなた!
男は皆夢見ているのですよ。
女の人が白馬の王子様を夢見るのと同じ様に
いつか都会派の美女が自分に言い寄ってきて
オイシイ思い出来る日が来るんじゃないかと。
それは漫画の読み過ぎなのかも知れないですがね。
普通の顔して、「そんな事興味ありませんよ」
って顔して実は男の頭の中は妄想で一杯なのです。
しかし、ここまでのテクニックと説明で
あたかもその女性と仕事を越えたプレイベートでも
仲良くなれると錯覚させているわけです。
そもそも冒頭の詳しいアンケートというのも
「え~~! そうなんですかぁ? 私もですー♪
ちょっと私たち、スゴク話合いませ~ん?
なんだかお友達になれそうじゃないですか~~♡」
と、このトークを展開する為の材料探しだったのである。
そして、更にそれを補強する為に、さっき書いたココ。
コミュニティを形成している様で
加入した後はスタッフの手厚いサポート
(アフターケア?)が受けられるそうです。
色々な相談に乗ったり、時には一緒に遊んだり
仕事上の付き合いといった感覚ではなく、
まさしく一対一の付き合いで友達以上の付き合いをして
信頼関係を築いているお客さんもいるそうです。
ここの説明を行って、美女とのプライベートの付き合いという事を
示唆している・・・。
しかし、この商談を断る事により
この美人担当からは目をウルウルさせながらこう言われるんです
「そんなぁ・・・。
私、中村さんとは折角仲良くなれると思ったのに・・・
それじゃあ折角こんなに仲良くなったのに
お付き合い出来なくなっちゃうんですか・・・?」
女の涙!
とまではいかなくても女を悲しませてはいけない
と多くの善良な男性は感じる事であろう。
女を悲しませた時に男はアタフタするものである。
それがモテた経験すらなく女慣れしていない男なら尚更の事だ。
これはかなり強烈なパワーを持っている。
この折角出来た縁を手放すのは惜しい!!
なんとも惜しい!!
と、そう感じるのだ。
(まぁ、本当に縁があったら仕事抜きでも会えよって話なのだが。)
これは正に
「人はトクを得る事よりも損失を回避する方を重視する」
という性質から見ても理に適っている。
つまり、一度優しい言葉を投げかけられ、近くなった相手に
突然去られる(若しくは突き放される)と人は恐怖を覚えるのだ。
これはコピーライティングのテクニックや
パソナの法則といったセールスのテクニックには必ず用いられている。
いつか美女とあわよくばムフフな関係になれる事を夢見ている、
それが男なのだが・・・
しかし、そんなもの最初から有りはしなかったのだよ諸君。
いい夢見させてもらったぜ・・・アバヨ。
はい、では次。
- 約3時間という時間をかけてクロージングをされており
「ここまできて断ったら気まずいな」と感じさせている。
これも「良い人」が陥りがち・・・というか
「ノーと言えない日本人」って感じですかね。
ハッキリ言うべき事を言うってなかなか出来ないですよね。
それにこれまで散々双方が言い合いをしてきて
相手を罵倒してきてとかならともかく、
前述の様に今まさに相手と友好関係を築き、且つ、
ひょっとしたらひょっとしてムフフ!?
と、妄想爆発している瞬間のバカ男子の頭の中では
キャバクラで女の子にドリンクをせがまれて
「おっ? おぅ・・・。なんでも好きなの飲みなよ」
とカッコつけて言ってしまうのと同じメカニズムしか存在していない。
そんな中で急に頭を切り替えて
相手の女の子に反論して「話が違げぇじゃねーか!」
なんて言える訳ないのだ・・・。のだのだ。。。
覚悟を決めた中村のとった行動とその意外な結末・・・
そんなこんなで丸め込まれそうになった中村少年は
どうしたのかというと
スックとその場に立ち上がり、
「このアマ~。よくも騙してくれやがったなぁ。
これはちょっとお仕置きが必要なんじゃね~の?
ちょっと付き合ってもらうぜ? へっへっへ・・・」
・・・などとは言えず、
「ちょ、ちょっとすみません!!」
と席を立ち、逃げる様にトイレに駆け込み
「冷静になれ、冷静になれ」と自分を落ち着かせてから
一旦家族に電話して
「これこれこーゆー話になってんだけど、
これっておかしいよね?
そうだよね、おかしいよね?」
と確認をして、一旦頭をトランス状態から切り替え
「すみません!」
と謝る事しか出来なかったのである。
情けなや。
そのまさかの「すみません」の姿勢に転じた中村少年を見て、
相手の女性は
「まさかこいつはノーノーと命乞いをするフリをして
隙を見せた瞬間に金的攻撃をしてくる外国人レスラーか!?
リックフレアー? いやいや、世代的にはリックルード。
しかし、この男、腰はクネクネしてないし・・・」
と思ったとか思わなかったとか言われている・・・が!
結局の所、奥に引っ込んで男性上司に相談したり
していた様な雰囲気ではあったが、そこまで
物凄くしつこくされたりする事はなく帰してもらえた。
しかし、とは言え大人の世界、
当然僕には分からなかった事だがきっと僕が帰った後に
上司には怒られたり詰められたりされていたに違いない。
いや、予想に反して男性上司が慰めて
ヨロシクやっていたのかも知れない。それは分からないが・・・
実際、断る時にはかなりエネルギーを使ったし
怖いお兄さんが出てきてしまうのではないかと
小心者の中村少年はマジでガクブルものであった(((((( ゚Д゚))))))
そんな思いをしながらなんとか、そのクロージングは
終了し、やっとの思いで新宿アイランドタワーを後にしたのだ。
しかしそれにしても・・・
綺麗な人だった。
ただそれだけが残った中村少年だった。
(若かったのだ。)
心理テクニック、営業テクニックのパワーとは・・・
さて、ここまでがタイムスリップしたかなり昔の
若かりし日の中村の話なのですが如何だったでしょうか。
一部、熱くなり過ぎて口調が変になっていましたが・・・。
で、こういったやり方は若干詐欺まがいではありましたが、
世の中にこういった「仕掛け」って沢山あるんですよね。
本当に上記のエピソードに出てきた女性なんかは
そんな詐欺まがいの事をしなければ
どんなセールスでも出来ちゃうのではないかと
感じたのが真面目な部分での感想でした。
そんな悪い事に使わず、平和利用すれば
相当凄い営業力だなと・・・。
結局、このブログをお読みの人であればお気づきの方も
いると思うのですが、情報商材の世界って
本当にこういったものが多いんですよね。
情報商材の世界というのは何故か
その辺りのセールステクニックに突出した部分があり
相手の心理を揺さぶる法則を知った上で
そのテクニックを最大限活用してあなたの心に切り込んできます。
先程のエピソードでは書かなかった事でも、
他にも様々な心理テクニックが使われていた事は確かです。
こちらを見て貰えれば分かると思いますが・・・
こういった事を仕掛けてくる人達は
「ちょっとグレーな手段だけどやっちゃおう!」
という程度のノリではなくて正真正銘の悪意しかなく
大義も何もない商売をしている人達も沢山います。
そういった人達は予防線としての
法律に対する知識も詳しかったりするので
ちょっと素人が反論しようとすると
言いくるめられてしまうという可能性は普通にあります。
本当に将来的にきっちりとこの世知辛い経済社会を
生き延びていこうという考えであれば
心理テクニックなどの仕掛ける側の視点を知るという事も
勿論ですが、法律に関する知識なども知っておくと良いですね。
いざという時に僅かな知識でも
知っているのと全く知らないのとでは
違いますからね。
では、長々とエピソードを話してきて、結局オチはそれだけ?
という中村でした。
ではでは・・・。